2010年02月22日
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極小郷土史と特徴と価値

Written By: 川俣 晶連絡先

 歴史趣味を包含する地域の問題として分類してみましょう。便宜上、日本よりも大きな範囲は省きます。また、23区内在住者なので、便宜上「区」の存在を前提とします。(とはいえ、共通一次は世界史だったのだ)

  • 日本全体
  • 特定地域 (地方レベル)
  • 特定県
  • 特定区ないし特定の道路や河川地域

 ちなみに、上記のうち日本全体ではないものがおそらく「郷土史」の範囲に入るのでしょう。

 この分類では、おそらく「区」が最小単位になります。それ以下は予算の出る地方自治体としての主体は存在せず、プロの研究者もほとんどあり得ないからです。

 しかし、アマチュアであれば話は変わってきます。

 もっと狭い地域に注目した活動があり得ます。

 それを便宜上「極小郷土史」と呼びましょう。

極小郷土史はなぜ成立するか §

 その理由は、以下の点に求められます。

  • それ以上のスケールの郷土史が提供する情報が足りなすぎる
  • 場合によってはスルーされる (話題のある別の地域が優先されてしまう)
  • 実際に目の前にある現実や、縮尺率の低い古地図、航空写真と食い違っている場合もある
  • より確実な解釈が欲しいが、それは他人の「郷土史」からは得られない

 というわけで、未だに始点と終点も明確にならない下高井戸分水を抱えておいらは悩むわけであったのでした。本を読んで分かれば誰も苦労はしません。WikiPediaを読んで書いてあればまだマシだし、書いてあっても100%の信用はできません。

という話をなぜ書くかというと §

 たぶんこの人も同じレイヤーにいるのだろう、と思うので。以下は既に出ている書籍の誤りを指摘しているので。WikiPediaの間違いも書いています。

 そして、このような指摘を要するという点が、おそらく「極小郷土史」に人間を「無給で」駆り立てる原動力になっているのでしょう、たぶん。

 ついでに言えば、東急による買収という問題が、特に関東西部私鉄史の過去を不鮮明にしがちであるいう話もあるのかも。実際、玉電の昔は良く分からないことも多いし、比較的東急に統合されていた期間が短い京王ですら、戦前まで戻すと急に不鮮明になってくるし。(だいたい、下高井戸の駅に貨物引き込み線があったなど、下高井戸在住者もずっと知らなかったとはどういうことだ?)

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